002.LOVE SONG

 

珍しく残業もないロイが、
自宅で何とはなしにテレビを見ているとバラエティー番組が始まった。
それは、インパクトのあるものを視聴者から集め、紹介するという内容だったのだが・・。

ロイは少々口元を緩め、完全に傍観するべくソファに深く腰を掛け、ブランデーを飲み始めた。
しばらく見ていると、コーナーが移り何やら妙なイントロが流れ、裏声まじりの下手な歌声が聞こえてくる。

『君を 愛してる だから この歌を送るよぉ〜〜
 LOVE SONG
 LOVE SONG

 田中うぉーず!!フォールィンラヴ・・
 映画館で20回は見たいぃぃい〜〜〜〜〜
 LOVE SONG
 LOVE SONG

 I...LOVE....田中...☆』

 

暫し、ぽかん・・と見いり、そしてテロップを確認した。
『私の貰ったインパクトのある告白テープ』とある。

「最近の子は好きな女性にラヴソングを自作して送るのか・・・」

あきらかにナニな誤解は誤解を生み、
ロイはその熱意を仕事に向けろという勢いでギターを片手に歌を作り出した。

 

 

 

「何か今日の大佐機嫌良いな・・・」

「うわぁ・・・気味が悪いほどニコニコしてますよ・・?」

ざわりとする部下のことなど気にも留めず、ロイはそわそわとイスに座ったり立ったりしている。
流石にホークアイ中尉もこれを見逃せなかった。(できれば関わりたくない)

「大佐。何かあったのですか?・・随分落ち着きを失っているようですが・・」
そう中尉が言うと、待ってましたとばかりにロイは輝く笑顔で手招きした。
「丁度いいところに!中尉。実は聞いて貰いたいんだが・・」

そう言うとロイは返事も聞かずに中尉を休憩室にエスコートした。(違)

「大佐。その後ろにある明らかに怪しいものは・・」

「ギターだ、南部の方でも盛んらしい。」

「いえ。それは知ってますが。」

絶好調のロイは他人の言う事を聞かないらしい。
さっさとイスに座り、ギターを弾く体制に入った。

撃ち捨てたい。今すぐに。

中尉のシックスセンスは逃げるという選択をしたがったが、仮にも相手は上司。
そこは意地で休憩室に留まった。

「では・・ごほん。中尉に捧げるラヴ ソン・・」

ズキュゥゥンッッ!!!

ロイの頬から一筋の血が流れる。
見るとセーフティを解除した銃からは硝煙が立ち昇っていた。

「ちゅ・・中尉?」

冷や汗をかきながら呼びかける。
肩で息をしながら暗い眼力で大佐に圧力をかける中尉は凄まじかった。

「・・・・・・・即刻やめて、仕事してください」

思わず頷きそうになったが、それは聞く事はできなかった。
何せ、あの後、半徹夜までして仕上げた歌なのだ。
ぜひとも聞いて貰いたい。

凄く聞いて貰いたい。

「・・私の想いに気づいているのだろう?なら最後まで・・」

聞いてくれという言葉は最後まで言えずに一蹴された。

「知っているからこそ拒否します。」

歌う。上官命令だ。」
職権乱用だとか、大人気ないとかそんなことはこの際一切無視の方向で進めていく。

「大佐」

中尉に捧げる愛のラヴ・・」

とうとう中尉を無視し、勝手にロイは歌いだした。
中尉も逃げずに黙り込み、
静かに上官に銃を向ける

 

「初めて君と出会ったズキューンッ!目が合うだけでドキドキしズキューンッ!
 I LOVE 中ぃ・・

ズギャーーーーーン!!

 

 

 

 

 

あとがき

なんじゃこりゃーー!!(爆)
だ・・駄作・・!

つか大佐が命知らずな・・