My name is NEKOTAISA. 「我輩はネコ大佐である」
その人の名はロイ・マスタング、地位は大佐。 ネコ耳がついていた。 何もロイは好きでネコ耳をつけているわけではなかったが、ネコ耳をつけた自分の上司が黙々とデスクワークをこなしているのを見るのは、ある意味、面白いを通り越して、本当に涙がでてきてしまう光景だ。
あぁ、素晴らしきかな。流石は動物の耳・・部下のひそひそ声も難なくキャッチできる。
ビシッと敬礼をした部下は余計なことを押し付けられる前にさっさと自分のデスクに戻ってしまう。
ホークアイと連れ立って入ってきた時点でロイはもうすでにどうしようもないほど苛立っていた。 「ここに鋼のがいなくてよかった・・・」 どうやって生えてきたのかも分からない、分解するには本物に似すぎている。 「大佐、」 「なん・・何だ、ハボック。」 にっこりと微笑まれてロイもにこりと微笑み返した。
「・・っ・・」
「ハボック、・・っ待て!ちょ、ハボっ――、んぅー!」 性急に服を脱がそうとするハボックを必死で押しとどめながらも、襲ってくるキスの余韻に勝てそうにもなかった。 久しぶりということもあって、行為が終わる頃にはくたくたになってしまいそうだ。 セーフティを解除した愛銃を無表情でこめかみに押し付けられるのは目に見えている。 「こんな可愛い耳生やしちゃって、 ハボックの欲情に擦れた声を耳に直に受け止めてしまい、ロイはふるりと震えた。 「やっ」 耳の中を舌で嬲られ、女のような声を出してしまったのに気づき、ロイは顔を真っ赤にして、我を忘れて叫んだ。 「やっ・・めないか!ハボックー!!!」 ばしーんっ!! 「・・・っ・・」 殴ってしまったことに一瞬気づかず、 「あ、あ・・すまな・・い・・」 「大佐・・?」 ハボックの呼びかけにビクリと体をこわばらせ、乱れた軍服を掻き抱いてロイは駆け出した。 「あ、大佐!」 慌てて捕まえようとしたが間に合わず、ハボックの右手は宙をかいただけだった。 呆然とうっすらと赤く腫れた頬を押さえながら、ハボックは深い溜め息をつき、タバコをとりだして咥えた。 「どーも、・・うまくないねぇ・・」
―――――――――――――――――――――― あとがき あれ・・・?何かシリアスになってしまいました(笑) |