図書館
今日も今日とて、図書館に入り浸ってみたけれど
それらしい文献は見当たらなかったので、
諦めて、帰ろうかと身支度を整えているエドワードの目に一冊の本が目にとまった。
「誰かの忘れ物か?」
別段珍しくもなんともないし、古めかしい感じもしない。
どちらかというと若い女性が好むような雑誌のようだ。エドワードは普段そんなものに目もくれなかったのだが、今日はヤケに内容が気になる。
『超☆人気の占い師、セニョリータ ユウキ先生が
あなたの運勢を占います!
彼とのラブ運!今月の金運!そして、全体運も見逃せないね!
今月ダメダメの運勢だったーってあなた!
何と、ラッキーカラー・ラッキーアイテムが本誌の最終ページに
載ってるよ!
これで今月も、ハッピー☆ハッピー!』
「ラブ運・・・」
占いなどを信じるつもりは毛頭ないが、エドワードは何気なく先を目で辿って固まった。
それによるとアルフォンスとエドワードの相性はこうだった。
『今月のラブ運は・・残念。ハート一つです。
新鮮味がなくなって、ちょうど倦怠期に突入しちゃいそう。しかもライバル出現!?
何か思い切った行動をしてみて、彼の目線を戻しましょう!
今月の金運は・・・・・』
「・・・・・・・・」
ただでさえ、兄弟・男同士・というハンデを背負っているのだ。
それにアルフォンスは普通なら女性の体に興味を抱くお年頃。いつ、彼女が出来ても不思議ではない。
エドワードは急に不安になった。
「で、でもラッキーカラーとアイテムがあるはず・・」
すっかり占い本の術中に嵌まって、ドキドキしながら最終ページを開いたが、またもやエドワードは固まってしまった。
『ラッキーカラーはピンク色!
ラッキーアイテムはおいしい苺!彼と食べさせあって、甘い一日で
悪い運気を吹き飛ばそう!』
甘い・・一日・・
普段の冷静な彼であればもう少し考えたであろうが、残念ながら今は冷静さを欠如させていた。
苺とピンクとハート一つ。
そして、彼女が出来て幸せそうな顔をしているアルフォンスがエドワードの脳裏によぎり、顔を青くさせたところで放送がかかった。
『閉館5分前になりました。
まだ館内に残っている方は、直ちにお帰りください。』
繰り返すアナウンスをぼんやり聞きながら、エドワードは俯いて滲んだ涙を指でふき取った。
何かを決意しながら。
NEXT>
―――――――――――――――――――――――
あとがき
ロイエドでやろうと思っていたネタです(笑)
続きは裏にあります(^^;)
悩んだエドが誘い受け!?みたいな・・・(オィ)
占いの本を買った事がないので、実際はどんなものか知りません。。
が、そこは根性で!いかがでしょうか・・