牛乳

 

とりあえず、疑問に思う。何でこんなことで喧嘩してるんだろう・・。


「兄さんの馬鹿!!もう知らないよッッ」

「あーぁ、いいぜ!勝手にしろ!」

「おぃおぃ・・。こんなことで喧嘩すんなって、お前ら」


ことの発端は一瓶の牛乳だった。
昔からエドワードは牛乳を嫌っている。

日頃から背のことを異常に気にしているエドワードに、ヒューズの妻。グレイシアが牛乳を差し入れしたことから
始まった。

差し入れは嬉しいが牛乳は嫌。そう主張するエドワードにヒューズは「妻からの差し入れだ、飲め」と迫った。
それが1時間と30分、妻自慢をはさみながら展開されたのだ、周りの者はたまったものではない。
そんな彼らを前にし、アルフォンスはとうとうキレた。


「兄さん!牛乳くらい飲みなよ。差し入れてくれたグレイシアさんに失礼じゃないか!」

「そうだぞーエド。アル、いいこと言うなぁ」

2人のタッグ攻撃に、エドワードはぐっ、とつまったが負けずに言い返した。

「そんなの飲まなくても死なないよ。第一、そんなこと言うなら中佐が飲めばいいだろ!」

「それは牛に対する侮辱だよ兄さん!!!」

牛に対する侮辱かどうかはさておいて、エドワードの牛乳嫌いはさすがに放っておけない所もある。
そこで、強行手段に出ることにした。



*どのような手段にでたかは音声でお楽しみください。

 

「中佐!足押さえててください!」

「エド、ちょっと落ち着け、な?ちょっとの我慢だ、辛抱しろ。」

「押さえつけるなーーーッ!」

「ほら、兄さんこれ咥えて!」

「んっ・・むぅぅ・・・んぁ・・ア、ル・・!こらっ・・飲みたくないって・・んぅーー!!」

「こぼさず全部飲めよーエド。」

「兄さん・・、そう、上手だよ。全部飲んでね」

「んん・・・・・ぅ・・・」

 

ちゅぽん。という音を鳴らして、アルフォンスは牛乳瓶を口から引き抜き、そして兄の口元に少しこぼれた白い液をぬぐってやった。


「兄さん!やれば出来るじゃないか!」


「おぇっ・・・・」

 

とりあえず、飲めはしたが口の中の牛乳独特の風味は消えない。
エドワードは涙目でアルフォンスとヒューズを睨みつけ、喚いた。


「まっ・・・・・・・・ずーーー・・。
・・っ・・アル!!ヒューズ中佐も最低!!押さえつけて無理矢理
飲ませやがって!!くそー・・っ 絶対二度と飲むものか・・・・」

「まぁまぁ、これで背が2メートルくらいになるかもな。
栄養豊富なんだ、気にするな。」

「なんねぇよ!」

 

かた・・。

 

3人は気にしていなかったが、実はかなりの大音量で先程の会話はされていた。
医者、ナースはもちろん。患者まで覗きに来ていたのを見て、苦笑いを浮かべるしかなかった。
覗きに来ていた面々が、何故か頬を赤くしていたのを疑問に感じながら。

 

「・・あいつら、熱でもあんのか?」

「さぁ・・」

 

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あとがき

狙い済ました内容です(爆)
隠れた内容が分からない人は何が言いたいのかワカラナイでしょうが・・・。